支笏湖活性化協議会

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変わらない心の故郷 「民宿 支笏荘」

 「東京から飛行機と車で3時間。なんにもしない、なんにも余計なものがない、支笏湖を感じて欲しい」民宿 支笏荘のオーナー、福士國治(ふくしくにじ)さんは語る。毎日、人と人、物と物に挟まれて生活していると、思うようにいかないことばかりでてくる。支笏湖で、心を解放してもらいたいという福士さんの思いだ。

 支笏荘は、支笏湖が国立公園に制定された昭和24年に、福士さんの父親が創業した民宿兼食堂である。木を加工してつくった看板、丸太を使った柱、山小屋のような店内で、福士さんが訪れる人を笑顔で迎える。

 「この前、フランスの方がいらしたんですよ。言葉がぜんぜん通じなくて、いやあ困りました。オコタンペに連れて行って、一緒にフキを採ったんですよ。それをテンプラにしてあげると『テンプラー、テンプラー』って大喜び。そして、夢中で食べてくれて。食べ物の力ってすごいですね、言葉を超えたコミュニケーションですよ」と、福士さんは嬉しそうに語る。

 毎年、何カ月も支笏荘に長期滞在するご夫婦や、自分で獲った魚の魚拓や、剥製を持ってくる常連客、支笏荘を愛する人たちは多い。

 「ウチは変わらない、いや、変えないんです。ウチを好きでいてくれる人たちのためにもね」福士さんは語る。「うーん、ほら温泉街とかの観光地って、どんどん姿を変えていくじゃないですか。いいなーって思っていたものがどんどんなくなっていっちゃう。ここは国立公園だからこれ以上は開発できないっていうのもあるけど、ウチに来るお客さんってみんな、支笏湖の変わらないところを愛してくれているじゃないかと思います」と、福士さんは笑う。

 世の中は、変化や前進することを常に求めている。「変わらない」支笏荘は、故郷の記憶のように優しい。

 

民宿 支笏荘

電話 0123-25-2718
営業時間 10:00〜18:00
支笏荘は「NPO法人支笏湖の自然と環境を守る会」の事務所にもなっています。

一店一品紹介 「タンテキ鍋」

タンテキ鍋を作りながら話を聞かせてくれた福士さん。


支笏荘の名物は、支笏湖周辺で採れる山菜や、魚を使った料理。そして、支笏湖のオリジナル料理「タンテキ鍋」だ(要予約)。支笏湖周辺は明治から、国立公園に制定される昭和24年ぐらいまでは、造材が主要な産業のひとつだった。家庭用の燃料としてはもちろん、苫小牧にある王子製紙が、大量の木材を必要としたからである。当時の木こりたちが、オニギリをナタで潰し、餅状にしたものを味噌汁に入れて食べたというものが、タンテキ鍋のルーツだ。福士國治さんの父親である永治(えいじ)さんが製品化した。

問い合わせ 事務局:支笏湖ビジターセンター内 電話 0123-25-2453